人身売買、カンボジア、アートリサーチワークショップ

22日から昨日(26日)までカンボジアに出張した。
北九州市にあるアジア女性交流研究フォーラムからいただいている研究助成金による人身売買被害者に関するリサーチのため。
昨年度は12月に同じようなリサーチワークショップをマニラで実施した。
あの時は転職や引越し、博士論文の作成作業などが重なって本当に慌しい中で、やっとマニラに飛び、一日だけ時間を割いて、リサーチワークショップを開催した。
しかも、初回だったこともあって、単にやってみたいという気持ちが先行して、具体的な方法論とかカウンターパート組織とは全く暗中模索のなかだった。
今にして思うと、よくリサーチワークショップの実現まで漕ぎ着けたものだと思う。
ところが、人生というのは分らないもので、その結果が思いもかけず好評で、研究としても意味があることが後になって判ったのである。
 
そんな訳で、今回は少しだけ気持ちに余裕を持って準備を進めることが出来た。
東工大の新しい職場のほうも段々と研究環境が整ってきたし、何よりも4月上旬に事前調査のためにカンボジアに出掛けることが出来た事が大きかった。
この4月の予備調査のときに、プノンペン在住の国際子ども権利センター共同代表の甲斐田さんに、AfesipというNGOの国際ディレクターを務めていたArti Kapoorさんを紹介していただいて、この時の話し合いによて初めてカンボジアでの調査の目処がついたのである。
しかも、この時の出張で東工大の仕事として現在進めている様々な仕事の糸口が得られた。
人生万事塞翁が馬とはよく言ったもの。
 
それはともかく、今回のリサーチ。
Arti Kapoorさんが昨年アジア開発銀行の資金を得て実施した人身売買被害者に対するアートセラピーに端を発している。
このアートセラピーワークショップのファシリテーターを務めたLydia Tanさんというシンガポール出身で現在オーストラリアに住んでいるアートセラピストの方の仕事振りをKapoorさんがとっても推称され、その時のアートセラピーワークショップで人身売買の被害者の方たちが描いた作品を見るように勧められた。
そこで早速、プノンペン市内にあるジェノサイド博物館の向かいにあるカフェを訪れ、その絵を見て、「これで行こう」と決めたのである。
でも、それから、このLydiaさんと連絡を取るまでが一苦労だった。
KapoorさんがLydiaさんの連絡先を書いて送ってくれたメールが見つからなくなり、しかも、その頃KapoorさんはAfesipを辞めて英国に帰るという時期と重なったこともあり、Lydiaさんの連絡先が分らなくなってしまった。
Google1で検索をかけたら、シンガポール人でアート関係の仕事をしているLyida Tanさんという名前の人は3人いることが分った。
そのうちに一人はシンガポールの教育庁に勤めている人で、自分の照会メールに対して懇切丁寧な返事を書いてきてくれたが、これが別人。
 
結局、英国のKapoorさんから再度メールが届き、その紹介でLydiaさんと初めてメールで連絡が取れたのが確か5月中旬。
その時、(そして現在も)Lydiaさんは、ビルマとタイの国境にある(タイ側の)難民キャンプでビルマから逃げてきた難民の子ども達相手にアートセラピーのセッションをやっていることが分った。
同時期に、これまた本当に幸運なことに、自分は在日米国大使館の招待で、バンコクで開催されたGreater Mekong Sub regionを対象とする人身売買に関する地域国際会議に参加することなったのである。
本当に人生で持つべき者は友だちである。
 
それで、バンコクのホテルからタイ国境に近い村にいるLydiaさんと電話で話しが出来て、やっと彼女が8月下旬であればカンボジアに来ることが出来ることが確認できて、今回のリサーチワークショップの日程が決まったのである。
その後も、Afesipの新しい国際ディレクターとなったImmanuelさんとなかなか連絡が取れず、人身売買問題に関する打ち合わせのために訪ねて埼玉の国立女性教育会館の中にある公衆電話から電話したら、その時に限ってImmanuelさんと話が出来るという、これまら小説のような偶然があり、ここでカウンターパート組織の責任者とも話がついた。
 
そのあと、またまた幸運なことに、アジア女性交流研究フォーラムから研究内容について原稿を書くように依頼があり、そのためにアートセラピーや質的調査法について本格的に調べる機会を得たのである。
その結果、自分がやろうとしていることの意味とか方法論が初めて見えてきて、しかも、6月上旬の日本平和学会非暴力分科会で、初回のマニラでのリサーチワークショップについて報告する機会を与えられ、この時のレビューで、リサーチのためのワークショップを実施するために必要なステップについて、とっても重要なアドバイスをいくつもいただいたのである。
これが、今回のリサーチワークショップの成功に大きく貢献した。
 
という感じで、やっと漕ぎ着けた今回のワークショップ。
結果は11月18日&19日に北九州市で開催されるアジア女性会議で発表させていただくことになっている。
また、前回のマニラ・ワークショップのレポートを含めて来年3月には報告書にする予定。
初めて自分で最初から企画し、研究資金を申請し、カウンターパートを探して実施したリサーチがこうして一つの形になろうとしている。
何だか、とっても嬉しい。
もちろん、この成果を自分だけのものにしていてはいけないのであって、これを人身売買問題の解決のために活用していかなければいけない。
その方法についても、様々なアイデアが湧いてきている。
焦らず、慌てず、実現を目指していこうと思う。
 
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