世界への第一歩

今日は第42回経済社会学会が上智大学四ツ谷キャンパスで行われる。
わたしは、11時35分から12時15分まで「サイバー社会の社会像と多元的自己」というタイトルで発表をする。
ちなみに、この発表。
来年、ポーランドで行われる法哲学・社会哲学国際学会連合主催の世界学術大会に向けた準備の第一歩である。
この世界会議で、わたしはEthics at the age of virtual warというタイトルのスペシャルワークショップを開かせていただくことになっている。
振り返ってみると、83年にわたしが外務省に入ったときにはパソコンではなくてワープロが主流だった。
パソコンの威力を学んだのが1992年から94年にかけてニューヨークで国際連合開発計画で働いたときのこと。
そして、それから10年でインターネットを中心とするICT(Information and Communication Technology)は私たちの日常生活の隅々まで普及した。
WEB 2と呼ばれる新たな技術体系が今は出現している。
これは考えてみると、グーテンベルグの活版印刷術に匹敵する大技術革命である。
メディアの変化は私たちの認知システムを変化させると言ったのはカナダのマーシャル・マクルーハンだけど、このICT革命はどのような変革を社会と人間の意識にもたらすかは、まだ全貌が見えていない、すばらしく魅力的なテーマである。
 
わたし自身は、この問題にテイラーの提起した見方、要するに近代を自己理解の形式の革命と捉える見方でもって接近してみたいと考えている。
このことは、10月2日の博士論文公聴会での報告内容と一部かぶるわけだけど、テイラーは『ヘーゲル』の中で何を言っているのか、そしてそのことは自分の問題意識とどう繋がっているのか、という事とも関連してくる。
要するに近代という社会現象を自己理解の形式の革命ととらえる見方はテイラーのヘーゲル哲学へのアプローチそのものであって、その背景には人間を客観的対象としてではなく、ハイデガー流の世界内存在としての自己(実存としての人間)として見るべきであるというテイラーの基本的視座があるということである。
テイラーの人間観には両義性があるという批判がある。
自分のことを反省する能力を持つ(自立性)一方で、共同体の一員としてその伝統、歴史に強く影響され、それ無しでは自己省察を重ねることもできない共同性を持つ存在として人間を捉えており、どちらの立場に立っているのか、時に分らないという批判である。
しかし、わたしの理解では、これはテイラー哲学の理解が誤っているのであって、テイラーの哲学は基本的にハイデガー流の超越論的自我の現象学的記述を目指しているのであり、自己(自分は自分であるという人間の意識)を客観的に観察するという立場自体をテイラーは自己理解の方法として否定しているのである。
したがって、そこから自己の二面性ということは出てこないのだ。
まぁ、この辺りの議論は2日の夕方まで楽しみに取っておこう。
 
とりあえずは、4回目となる経済社会学会での発表である。
 
ちなみに、来年の世界大会での私のスペシャルワークショップの企画書はこんな感じ。

As Michael Ignatieff mentioned, we are now living in the age of virtual war where we are participating as the disengaged spectator[i].  We have been more and more moved and even driven by the images and codes appearing on the TV and on the PC monitor.

Before March 2003, as Communication head of the Japan Committee for UNICEF, I’ve received so many telephone calls from usually generous UNICEF supporters asking why UN does not take more firm position against war itself.  They even asked if it is not unethical for UN agencies such as UNICEF to prepare for rescue operation of the potential victims before the military actions commence.

However, the very same people have turned to the chauvinistic supporters for the military action one year after when the Japanese Self Defense force was dispatched to Iraq.  They were also so severely criticizing and even ostracizing the three Japanese young fellows who happened to be arrested by one of the resistance groups in Iraq, based on the information provided by the media.

As Marshall McLuhan pointed out, technology creates impact on human cognition and transforms our common understanding about social organization[ii], social imaginaries[iii].

If his argument is correct, ICT (Information and Communication Technology) may bring us, human being, from individualism to a collective identity.  The hysteric response by the Japanese mass against the three Japanese young fellows may confirm his theory.

 

Referring to my personal experience as one example as mentioned above, I would like to present one proposition that a new social imaginary, created and developed by the ICT has the extended features of the space of fashion, which we have built up as a new social imaginary in the 20th century.  The space of fashion, in Taylor’s account, is of a horizontal, simultaneous, mutual presence.  The development of ICT, particularly since 1990’s, makes this space meta-topical where the meaning of our social participation might be changing.  We may call this new social imaginary as “virtual public sphere”.


[i] Michael Ignatieff, Virtual War: Kosovo and Beyond ,Metropolitan, 2000.

[ii] Marshall and Eric McLuhan, Laws of Media, the New Science, University of Toronto Press, 1988.

[iii] “Social imaginaries are the ways people imagine their social existence, how they fit together with others, how things go on between them and their fellows, the expectations that are normally met and the deeper normative notions and images that underlie these expectations.” C.Taylor, Modern Social Imaginaries, Duke University, 2004, p.23.

 
 
 
 
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