現代アジア社会派演劇「モバイル」

昨日の朝、世田谷パブリックシアタで16日から18日まで行われるアジア現代演劇コラボレーションプロジェクトの『モバイル』公演のお知らせが届いた。

カザフスタン出張前から必ず行こうと思っていたもの。

タイ、フィリピン、シンガポール、そして日本の演劇人たちが合同で、アジアの移住労働者の現状を一年間にわたる調査に基づき演劇化した力作。

 
来日したフィリピン人女性が日本人男性との間にもうけた子どもの認知と日本国籍取得を巡って、日本の法廷で争うお話。
 
シンガポールのマレー系女性の役人が、人身売買問題を含む社会問題に真剣に取り組むことによって、異例の昇進を実現するが、その過程で、何かを失ってしまうというお話。
 
フィリピン人の元運動家で、今やホテル・オーナーとして成功した男性が、タイのリゾート地に自社ホテルを建て、地元民の雇用を進め、社会派企業家として国際的な賞を受けるに至るが、一方でホテル従業員にはなりきれなかった元猟師の友人を企業人として解雇せざるを得なくなるというお話。
 
日本の企業戦士が初めて取った家族旅行でフィリピンを訪れた際に、子どもが誘拐され、夫婦仲は崩壊、その後、フィリピンに出張した男性は、精神的ショックから目をそむけるために仕事に没頭、同時に毎晩通ったカラオケバーで働くフィリピン人女性に恋をする・・・、しかし、この女性が他の男性と関係を持って妊娠していたことを知った男は最後の心の拠り所と失って、マニラのスラムで物乞いになる・・・、そして誘拐された子どもは内臓をえぐり取られ、代わりに麻薬を詰め込まれた無惨な姿で成田空港行きの機内で発見されるという最終話。

人には善意があり、また、良心があるにもかかわらず、その実現を目指して行動したとき、そこに社会的差別が生れ、本人の心をも苦しめることがあるという社会構造の矛盾をえぐり出した問題作。

月曜日から水曜日までは関係者によるシンポジウムが行なわれる。

人身売買だけでなく、現代アジアにおける協働というものに関心のある人は必見の作品。

人権、開発、そしてアートの可能性と限界を見据える上でも価値のある作品。
 
 

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