水島朝穂編著『改憲論を診る』

水島先生は、もちろん、早稲田大学が誇る憲法学の大家。
この水島先生が関係者と2005年に出版されたのが、この本。
当時は、まだ 改憲への勢いが日本中を席捲していて、この本にも、憲法を巡る正しい常識、基礎知識、議論の作法を伝えようという尋常でない熱意がこもっている。
 
この本における第一のポイントは、憲法は権力者を拘束し、制限する規範であるということ。したがって、憲法とは常に権力者にとっては煙ったいものであり、「押しつけ」られたものであり続けるのだという説明はとっても分かり易い。
 
第二のポイントは、実は現在の憲法でも自衛隊の海外派兵は認められているというところ。
要するに、武力行使を行なう目的で外国の領土や領海に入る「海外派兵」は「自衛権の限界を越えるから憲法上はできないと解すべき」という政府見解は、「自衛に必要な最小限度」を補う補足的原則であり、「自衛の必要な最小限度」の中味としては、
(1)わが国に対する急迫不正の侵害に対し、他に手段がないと認められる限り、海外の敵基地を攻撃することも可能であり、
(2)他国から武力攻撃がある場合、わが国の防衛に必要な限度において、わが国の領域を超えて周辺の公海・公空でこれに対処しても、自衛権の限度をこれうものではなく、
(3)海外における武力行動でも、自衛権発動の3要件に該当すれば、憲法上可能
であるというのが、政府の公式見解なのだ。
ちなみに、この3要件とは、
(1)急迫不正の侵害、すなわち現実的な侵害があること
(2)それを排除するために他に手段がないということ
(3)必要な最小限度それを防禦するために必要な手段をとること
である。
 
この政府解釈によると、他国から日本の領土内へのミサイル攻撃が明らかに目前に迫っていると判断された場合、そのミサイル基地を攻撃することは可能なのではないか、と思われる。
少なくとも、ミサイル攻撃が始まった後でないと、反撃できないという解釈は出てこないように思える。
 
すると、やはり、憲法(9条)改正のポイントは、国際的な平和維持を目的とした自衛以外の武力行使に自衛隊を使えるようにするかどうか、という点にあるように思う。
 
そして、ここまで来ると、これはそれぞれの国民の哲学の問題になるような気がする。
世界の平和を維持するためには、武力行使も認めるのか、やはり武力行使はあくまでも自衛の目的に限って、国際的な平和維持には非暴力的手段で貢献するとするのか、これは本当に真剣に考えなければいけない問題ですね。
 
 
 
 
 
 
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