チャールズ・テイラー『ある世俗の時代』

昨年9月に出版されたテイラーの最新作"A Secular Age"に引き続き取り組んでいる。
昨年秋に全般的な読書ノートのような論文を1本書いたあと、特に中世から近世にかけて、西欧世界で絶対的な人間中心主義(exclusive humanism)が如何に確立していったのかという箇所に関するテイラーの論述に集中して勉強してきた。
でも、これが本当に難行。
テイラーは、もちろん敬虔なカソリックとして知られる学者であり、卓抜した学識で知られる世界的な思想家だから当然だけど、そもそも自分の場合、中世ヨーロッパとかキリスト教史に関する基本的知識が殆どなかったので、1頁進むために何度となく人物名や当時の思潮について調べる必要が生じる。
だいたい、この『ある世俗の時代』。
900頁という総ページ数も凄いのだけど、そもそも字が小さいし、他の普通の英語の本に比べると、たぶん1頁あたりの分量が50%以上多いと思う。
そこに物凄い量の西欧社会に関する知識が盛り込まれていて、3年ほど前に『ヘーゲル』を読んだ時とは比べものにならない位に苦労している。
でも、そのお陰で、大学(学部)卒業以来、ほとんど手に取ったことのなった西洋史の本を読む機会に恵まれた。
 
自分の学問がどこまで進んでいるか、よく分からないけど、こうして勉強していること自体はとっても楽しい。
 
そして、5月25日に発表する予定のマイケル・イグナティエフの人権思想に関する発表についても、今回の勉強のお陰で以前よりは少し深い考察を提示できるような気がしてきている。
もっとも、これは自分だけの気持ちであって、実際には学会で発表してみないと自分のやっていることのレベルは分からない。
まだまだ勉強が必要なことだけははっきりしているけれど、学会では他の専門家の貴重な時間をいただくわけなので、少しでも意義のある発見、考察を提示できるような勉強だけは積み重ねておきたいと思っている。
そして、そのためには総花的にならずに、一つの本を徹底的に読み込むことが基本である。
 
まぁ、これも挑戦の一つですね。
 
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