金田耕一訳『ライツ・レヴォリューション』

昨日、金田耕一先生からマイケル・イグナティエフの『ライツ・レヴォリューション』の翻訳が送られてきた。
金田先生は、添谷育志先生とともにイグナティエフの作品を多数、日本語に訳して、日本におけるイグナティエフ研究を先導されてきた気鋭の政治学・政治理論学者である。
 
『ライツ・レヴォリューション』は、イグナティエフが2000年に行ったラジオ講演を元に書かれたもので、多民族・多言語国家であるカナダの経験を踏まえつつ、人権とは何かをたいへん平易に説明した秀作である。
金田先生は、この本を、分かり易い日本語に訳されていて、日本の社会において様々な誤解にさらされている「人権」というものを理解してもらうために、最良の入門書となっている。
 
イグナティエフは、この本の中でがきわめて個人主義的な米国、中央集権的なフランス、個人主義的でありながら本質的に中央集権的である英国と比べて、地方分権的で集団的権利も容認する点にカナダの権利文化の特色があると説明し、このようなカナダの権利文化は複数の民族集団と複数の国民集団からなる社会にとって適切なモデルとなり得ると主張します。
 
同時に、日本社会に住む私たちにとって目から鱗なのは、カナダを含む工業国では1960年代に権利革命が起き、その結果、それまでエリートに独占されていた政治がすべての市民に対して開かれるようになったという記述です。
民主主義とは、やはり、どこでも棚からぼた餅的に降ってくるものではないということでしょう。
 
日本にも、50年遅れで「権利革命」が起きるのでしょうか?
まぁ、興味は尽きないことですね。
 
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