「太王四神記」

昨晩は、韓国TVドラマの「太王四神記」の最終回。
 
人間は単に天の命じるところにしたがう存在ではなく、自らの意思で社会をよりよい方向に作り替えていける存在なのだというのが、太王四神記の伝えたいメッセージだったと私は思っている。
私が書評論文を書いた『商道』もそうだけど、「太王四神記」も、歴史に素材を取りながら、人間の自由意思と自律性を描きだした名作である。
 
ちなみに、『商道』に関する私の書評はこんな感じ。

 崔仁浩『商道』は、1990年代末、それまで順調な経済成長を続けていた韓国が東アジア金融危機の影響を受けて失速し、IMFによる自由化政策の下で深刻な経済不況に見舞われたさなかに、韓国の大手新聞である韓国日報で連載が開始され、2000年秋に単行本として出版されると300万部を売り上げるという韓国史上稀に見る大ベストセラーとなり、ドラマ化までされたという現代韓国の人気小説である。

 韓国では、かつて日本と同様に士農工商という身分制度が存在し、最近まで商業には最も低い評価が与えられていたという。

 『商道』の主人公である林尚沃(イムサンオク)は、200年前の朝鮮に実在した大商人で、当時社会的に最も低く見られていた商業という仕事の中に、高い倫理を持ち込んで、その社会的評価を高めた人物として描かれている。

 作者の崔仁浩は、日本語版序文において以下の通り述べている。

 「イデオロギーも消えて国境も消えつつある21世紀。ミレニアムの新しい未来が幕を開ける今こそ経済の新世紀であり、それにともなう経済についての新しい哲学が生まれなければならないと考えた私は、“経済の新哲学”をテーマに200年前に実在した林尚沃という商人を主人公として小説を書き始めました。

 今まで私たちの経済は政経癒着と不正腐敗のような邪道により発展してきましたが、私は今こそ孔子が語った“利”よりも“義”を追求する正しい道で、“商業の道(商道)”を通じて企業家たちも仏となりうると固く信ずるに至りました」

 この本が、韓国でベストセラーとなったのは、「上からの資本主義」から「下からの資本主義」への転換点に立った韓国が必要としたエートス(時代の精神)を提供したからであるというのが、私の感想である。

 

 
 
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