猪野健治『やくざと日本人』ちくま文庫

源了圓先生の『義理と人情』を読んで以来、日本の思想史関係の本に関心が高まり、いろいろと硬い本も読んでいるのだけど、その一方で、思わずはまったのがこの本。
 
猪野健治さんは、長年、やくざ、右翼、総会屋などをテーマにした分野で取材を続けてこられた、この分野では有名なフリーのジャーナリストの方らしい。
私は、子どもの権利活動家なので、世間的に分類するとリベラル左派ということになる。
また、そもそも暴力というのは大嫌いなので、これまで右翼とかヤクザなどという存在にあまり関心を持ったことはなかった。
でも、この本を読んで、高校から大学にかけて「緋牡丹お竜」シリーズをTVでとっても熱心に観ていたことを思い出した。
私が大ファンのフーテンの寅さんは、テキヤが商売だ。
 
この本の解説を書いている鈴木邦男さんは、「僕は60年代後半に学生時代を送った。・・・僕は右翼学生だったから全共闘の連中とは毎日のように殴り合いをしていた。でも、やくざ映画は左翼も右翼も好きだった。・・・ヘルメットの裏に藤純子のブロマイドを貼っていた中核派の学生がいた」と書いている。
 
猪野さんもこう書いている。
「日本人は、もともと義理人情にもろい民族である。これは思想とか理論とはつながらない感受性の問題だ。労働組合の指導者とて例外ではなく、口ではマルクス主義を叫んでいても、心情的には意外に古い」
 
私は、日本社会に人権理念を定着させるために何が必要かという問題意識から、これまで研究を進めてきたので、こういう本はとっても参考になる。
 
そして、心情的な日本の感受性を何とか理論的に説明しようとこれまで、様々な思想家が格闘してきた。
九鬼周造先生の『いきの構造』は、この分野の先駆的業績である。
 
私も、この戦線に参加してみようかな。
 
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