児童ポルノ(22)

Save childrenさま、技術屋さま、しっぽさま。
たいへん有意義な議論を提示いただき、誠にありがとうございました。
 
児童ポルノ等禁止法改正案に関する私見の中の
3.児ポ法は実在の子どもを性的搾取から保護することを目的とした法律ですから、子どもポルノについても、その定義を明確化するために、第2条3項については、子どもの権利条約選択議定書第3条第1項を援用して、「その他児童の性的部位を描いたすべての表現で、その主たる目的が性的目的による描写であるもの」と差し替える。
は、Save childrenさんが解説してくださったように、児童ポルノ等禁止法の本来の趣旨(実在の児童を商業的性的搾取から守る)に沿った定義に差し替えようという趣旨です。
 
米国の法律では、児童ポルノ(child pornography)とは、material that visually depict[s] sexual conduct by children below a specified ageということになっています。
 
一方、日本の児童ポルノ等禁止法における児童ポルノの定義は以下の通りです。
 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
 
子どもの権利条約選択議定書における定義はすでに何度も出ていますが
Child pornography means any representation, by whatever means, of a child engaged in real or simulated explicit sexual activities or any representation of the sexual parts of a child for primarily sexual purposes
 
私の提案している児童ポルノの定義は、米国法の定義よりは広く、子どもの権利条約選択議定書の定義にしたがってものです。
当然ながら、対象は実在の子どものみです。
 
また、創作物について新法で対応すべきという提案の根拠は、しっぽさんが述べておられる「残虐表現や陵辱表現等に関しては、これはもはや児童ポルノ問題とは切り離し、わいせつ表現同様、実写も含めポルノ表現、あるいはポルノを超えた表現全体の枠組みで考えていくべきかと思います。規制反対派の福島瑞穂社民党党首らに近い考えです。もし、社会通念上著しく問題があり、これこれこういう表現は違法である、と決まれば、それはわいせつ表現同様、当然全ての創作物にも適用されうるでしょう」という意見とほぼ同様です。
要するに、社会通念上許される暴力表現とは何かという枠組の中で創作物の児童ポルノも考えるべきではないかという趣旨です。
 
なお、ここからは余談ですが、児童ポルノ等禁止法が議員立法であるがゆえに、あいまいな法文となっているという批判には若干疑問があります。
私が承知している限り、議員立法といっても国会議員が勝手に法律案を作るのではなくて、法案の目的と趣旨を議員が議院法制局に伝えて、議院法制局が既存の法律との整合性などを確認しつつ適切な法律案にまとめるものです。
もし、児童ポルノ等禁止法が当初から法解釈上あいまいな部分を有していたとしたら、それは議院法制局の調査能力・法文作成能力が十分ではなかったということを意味するのではないでしょうか。
ただ、仄聞するに、関係省庁も自分が所管する法律以外の改正にはあまり興味も関心もなく、したがって熱心に取り組むこともないようなので、議員が作る議員立法にはそれほど労力も傾けなかったのかも知れません。
実際に、別件で霞が関の官僚と話した時、彼らは「議員立法は、国会議員が作るものなので、官僚が口出しするものでありません」とはっきり言っていました。
私自身、児童ポルノ等禁止法の最大の問題点は、所管する組織がはっきりと決まっていないことであると感じてました。
もっとも、役所の縦割り行政に合わせて法律を整備するというのも本末転倒であると思います。
この辺りは、意外に根が深い問題かも知れません。
 
 

 

 

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児童ポルノ(22)」への5件のフィードバック

  1. 森田先生マイノリティの文化に関する発言に整合性が欠けており、あまつさえ論点がずれている点についてご説明いただけますでしょうか。子どもにポルノを与え、またポルノの調査を行わせるような子ども参加を森田先生は問題ないとお考えなのでしょうか。Rapelayに警告と注意があるにもかかわらず製造自体を禁止しろという根拠は何なのでしょうか。また、憲法違反となりうる法律を作らせるつもりなのでしょうか。子どもポルノの自己鑑賞目的の単純所持が被害児童の人権を侵害するメカニズムについてご説明ください。以上、お答えを頂いていないので、ご説明のほどお願いいたします。児ポ法の第2条3項についての森田先生の改正案について私は誤解をしていたようです。どうやら森田先生は第2条3項全体を「その他児童の性的部位を描いたすべての表現で、その主たる目的が性的目的による描写であるもの」に差し替えようと提案なさっているようですね。それですと、性行為を行っているが性的部位が隠されている描写規制の対象外となってしまい、子どもの保護が著しく後退することになるでしょう。

  2. 「また、創作物について新法で対応すべきという提案の根拠は、しっぽさんが述べておられる「残虐表現や陵辱表現等に関しては、これはもはや児童ポルノ問題とは切り離し、わいせつ表現同様、実写も含めポルノ表現、あるいはポルノを超えた表現全体の枠組みで考えていくべきかと思います。規制反対派の福島瑞穂社民党党首らに近い考えです。もし、社会通念上著しく問題があり、これこれこういう表現は違法である、と決まれば、それはわいせつ表現同様、当然全ての創作物にも適用されうるでしょう」という意見とほぼ同様です。要するに、社会通念上許される暴力表現とは何かという枠組の中で創作物の児童ポルノも考えるべきではないかという趣旨です。」とのことですが、そうすると子どもの権利活動家である森田先生とは何の関係もない問題であるということになりますよね?だって子どもの権利の問題じゃないから。

  3. お答えできないことには返答しない、ここは森田さんのブログですから当然の措置と思います。しかし、あの長い文章の趣旨は汲み取っていただきたい。まず、児童ポルノ法は女性の人権問題だけのことでは無い、切り離すべきだということ。そして、創作物の問題も、森田さんが仰ってる通り「別問題として捉えるべきだ」であるということ。創作物におけるポルノ表現は、どんな作品にでも存在します。方々で有識者によって主張されている規制論は、創作物という根の深い広大な世界を上辺・空撮でしか見ていない場合が多い。社会通念上著しく問題があるとする表現は規制しても良い、ということは、現在特定の問題視している創作物のみならず、過去の膨大な創作の世界をも侵害する可能性を秘めているということです。それが例え残虐表現や陵辱表現だとしても、何が良い表現で何が悪い表現かは誰にも線引きできないでしょう。「源氏物語」のように幼女を調教する話も、ハリウッド映画や歴史ドキュメンタリーが取り上げる性的な歴史的事実も、小説やテレビドラマの残虐な快楽殺人事件も、漫画やゲームの中の過激な性表現も、すべて創作の世界においては同一線上なのです。日本のサブカルチャー、漫画アニメゲームといったものを「子どものもの」として扱い問題視すればいい時代はとっくの昔に過ぎ去りました。さらに、性的描写を含む創作物に限らず、暴力や大量破壊的な殺戮映像を含む創作物もまた本来子どもに悪影響でありましょう。てい良く「社会通念上許される暴力表現」など一切存在しえません。誰にその線引きを決められるというのでしょうか。隠匿ではなく教育、そして子どもにそういったものを見せないよう多大な配慮と対策をすること。この情報化社会の急速な発展により人々の意識が科学に追いついていません。がしかし、それを「規制によって簡単に解決、その場しのぎしよう」というお考えは全く賛同できかねるものだと、そう思うのです。

  4. 返答できないことには返答しないというのは、答えられない都合の悪い質問は無視ということでしょう。森田先生はそんな人じゃありません!

  5. >りす様≫お答えできないことには返答しない、ここは森田さんのブログですから当然の措置と思います。一個人が意思表明しているのであれば(一般の方の通常のBlogであれば)全く以って仰るとおりです。しかし森田様の場合はお立場上、一般の個人に比べ社会・政治に対する圧倒的な発言力を有しています。そして実際にその発言力を行使して『他者の人権を大幅に侵害する法令を作成すべきである』として活動されているわけです。そこに一定のaccountabilityが発生するのは必然ではないでしょうか?その意味では同じく他者への重大な人権侵害を求めて政治活動を行いながら、反対意見を黙殺し説明義務を完全に放棄している日本ユニセフ協会・ECPAT東京といった団体の不誠実さや反社会性は絶大と表現できます。また、Blog上で広く議論を求められている以上、提示された疑問点について回答も留保もせず無視を続けるのはルール違反でもあるでしょうね。>森田様私の提示している、社会法益により表現規制を行う場合、それにより少なからぬ個人法益が侵害されること、こと児童の個人法益が侵害されることについてのご見解も是非ご解答いただきたいと願うものでもあります。

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